市民オンブズマンは、「民営化」の負の側面として、市民による情報公開請求が
できなくなることを追及してきた。
特に、自治体が保有する施設の管理運営を民間に委託することが可能な
「指定管理者制度」について、早くから現状調査や申し入れなどを行ってきた。
しかしながら、名古屋市の民間が受託している指定管理者施設において、
不十分な情報公開規定しかもたず、実質的に市民の権利が侵害されている
事例が見つかった。
施設は「なごやボランティア・NPOセンター」。
平成16年から指定管理者に委託しており、平成20年4月からは、
特定非営利活動法人ワーカーズコープが新たに指定管理者となった。
今回、名古屋市民オンブズマンが、「なごやボランティア・NPOセンター」が
保有する情報を入手しようとしたところ、名古屋市情報公開窓口は
「名古屋市が保有する文書ではないので、市の条例に基づく情報公開請求は
できない。名古屋市情報公開条例第37条の2で、指定管理者は
情報公開に必要な措置を講ずるよう努めることになっているので、
その規定に基づき、開示申し出を行って欲しい」といわれた。
名古屋市情報公開条例 第37条の2 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいい、市の公の施設を管理するものに限る。以下同じ。)は、この条例の趣旨にのっとり、当該公の施設の管理に関する情報公開を行うため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 実施機関は、指定管理者に対し、前項に定める必要な措置を講ずるよう指導に努めなければならない。
http://www.reiki.city.nagoya.jp/reiki_int/reiki_honbun/ai50202651.html
そこで、直接なごやボランティア・NPOセンターに09/1/30に電話をかけたところ、
よく理解していないような応対がなされた。
名古屋市情報公開窓口とのやりとりを説明したところ、09/2/2に再度電話があり、
その後はまったく連絡がなかった。
たまたま用事があり、なごやボランティア・NPOセンターに09/2/7に
出向いたところ、担当者が出てきて、「情報公開規定は、あるにはあるが、
定款などしか開示できないようになっている。
現在市の担当課と相談して、規定を改定しているところだ」と言われた。
現在の規定を情報提供してもらったが、定款など9項目しか開示を
受け付けられなくなっている。
しかも、開示場所は「当法人本部」(東京)とある。
指定管理者ではなく、自治体直営であれば、領収書をはじめ
保有する文書全てが情報公開条例の対象となる。
きちんとした情報公開規定をもっている指定管理者や、出資法人に対しては、
保有する文書全てが情報公開の対象となる(条例ではないので、
裁判などで争うことはできない)。
今回、1カ所ではあるが、民営化された指定管理者の情報公開規定の
不備が見つかった。
他指定管理者はどうなのか調べようとしたが、名古屋市の情報公開窓口では、
他団体分については現在資料入手中とのこと。
愛知県の情報公開窓口では、全指定管理者の情報公開規定が
閲覧に供されており、ざっとみたところ民間事業者もきちんとした
規定をもっていた。
指定管理者については、うまくいっているところもあれば、問題を起こしている
ところもあると聞く。
市民に情報公開をすることで、問題を未然に防ぐことができるはずである。
早急な取り組みを期待したい。
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特定非営利活動法人 ワーカーズコープ 情報公開規定(任意提供)
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/npo/nagoyanpokitei.pdf
なごやボランティア・NPOセンターの管理運営に関する基本協定書
(名古屋市に情報公開請求して入手)
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/npo/nagoyanpokyotei.pdf
なごやボランティア・NPOセンター運営審議会 議事録(平成20年11月12日)
(名古屋市に情報公開請求して入手)
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/npo/npo081112.pdf
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なごやボランティア・NPOセンター
http://www.n-vnpo.city.nagoya.jp/
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2006.9.16-17 第13回全国市民オンブズマン福岡大会
指定管理者制度調査報告 全国市民オンブズマン連絡会議
http://www.jkcc.gr.jp/13fukuoka/13fukuokd.html
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