名古屋市で発覚した裏金について、市の関係者等から多数の情報が寄せられました。
それを元にして、再々度外郭団体・補助金交付団体調査・市役所本庁の裏金調査の
要請と質問を以下の通り行いました。
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再々度の申し入れならびにご質問
前略
私たちは平成20年1月16日付で名古屋市長に対し公開質問状を提出しました。
質問内容は次の2項目でした。
①平成7年度の裏金疑惑があるが、これを含む平成12年度以前の調査までする気があるか
②外郭団体や実行委員会での裏金調査は必要と考えるが実施する気があるか
当方が回答期限日とした1月25日には何の連絡も無く、しびれを切らして「今日回答が出せるか、否かだけでも連絡が欲しい」という問い合わせには「担当者が不在で分かりません」というのが当初の市側の対応でした。
そんな状況の中4日遅れの29日に出た回答は次の通りでした。
質問①に対して
・平成7年度の裏金疑惑には触れず、ただ平成10年度以降分についてだけ聞き取りをする
質問②に対して
・名古屋市の裏金が外郭団体で保管していないかを聞き取りする
・外郭団体独自で裏金を作っているかどうかはそれぞれの団体の判断で実施すべきもの
今回のような不祥事発覚を受けた取り組みへの質問に対する貴職の回答は見事な「肩すかし」でその真摯さの欠如と無気力さは驚きとは一抹の怖さを感じます。
再々申し上げる通り①の回答では<全ての膿を出し切る>という貴職の建前さえ満たされないことは明らかです。
また,②の回答では人的、財政的援助を行っている外郭団体、税金を使っている団体が正しく運営されているか否かの判断と責任を放棄するものです。
「市が出資をしたり職員を派遣したりというような人的・財政的援助(=税金)を行っている公益法人や株式会社などの団体」である外郭団体に対して、監査委員は財政援助団体監査が可能であり(地方自治法199条7項)、市長は財政援助団体監査を監査委員に命じることが可能です(地方自治法199条7項)。
実際、平成9年12月から平成19年9月までの約10年間で、市長等が監査委員に命じて監査させる「特別監査」(事務監査、財政援助団体監査含む)は全国の市で30件行われております(全国都市監査委員 webより)。そのうち1つは平成18年12月に貴職が区役所の住民票等の交付手数料の不祥事について監査要求したものであり、制度は十分ご承知のはずです。(上記不祥事については、着服3名を平成19年2月に懲戒免職処分にしました)。
今回このような権限があるもあるにもかかわらず、権限を行使せずに責任を放棄し、時の過ぎるのを待つような態度は市民に対しあまりにも無誠実であります。市民の市政に対する信頼は永久に失われることでしょう。
このような市長の不誠実な対応とは逆に、市職員や外郭団体職員や市との取引業者や市から補助金を受けている団体関係者から、名古屋市民オンブズマンに対して裏金の実態がぞくぞくと報告されています。
1.市職員が監察室に対して裏金の実態について告発したが、全く放置されている。
2.先日裏金作成が発覚した東市民病院以外の市民病院でも裏金でコンピューター等備品を
購入しており、その備品を異動先でも使用している。備品台帳を調査する必要がある
3.市から補助金を得ている団体が、市職員を「接待」している。
4.補助金・助成金・委託を受けている学区区政協力委員会・女性会・校長会・商店街・医師会
などで不明朗な会計処理をしている。
これでは「全ての膿を出しきり信頼を回復する」という強い思いが感じられません。市政に対する志が高ければ、行動は迅速のはずです。貴職だからできることは数多くあります。
今のままでは本当に自分たちの組織も、また、個人の人間性まで崩れてしまうという危機感と思い(’’)を抱いて告発の声を挙げられた方々の声に、市長はどう応えますか!?
名古屋市と同じように裏金が発覚した岐阜県では、外郭団体以外にも学校のPTAなどにも調査の範囲を広げ、外郭団体で約4700万円の裏金が発覚しました。また、監査委員は独自に「随時監査(地方自治法199条5項)」を行った上、これまでの監査のあり方を見直しています。
◇上記を踏まえ、以下の質問を行います。
1.外郭団体に対して、外郭団体自身が裏金を作成していなかったかどうかの調査を指示するつもりはありますか。
2.備品台帳と、実際の備品の照合は実態把握に不可欠と考えるが全庁的に実施するつもりはありませんか。
3.補助金交付団体に対し、補助金をプールしていないか、不明瞭な処理は、また裏金を作っていないか調査するつもりはありますか。
4.監査委員に命じて、外郭団体や補助金交付団体の監査を要求するつもりはありますか。
上記の回答は2月25日(月)までに下記名古屋市民オンブズマン宛にお願い致します。また、貴職の回答はホームページその他の方法で公開する所存ですので、ご了承下さい。
2008年(平成20年)2月12日
名古屋市長 松原武久 殿
名古屋市民オンブズマン
代表 倉橋克実
御回答先
名古屋市中区丸の内3丁目6番41号 リブビル6階
電話052-953-8052 FAX052-953-8050
名古屋市民オンブズマン事務局(担当:新海、内田)
http://www.ombnagoya.gr.jp/
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