平成15年度の金沢市議会2会派への政務調査費の返還を求める住民訴訟で、
名古屋高裁金沢支部は08/2/4に1審敗訴判決を変更し、約1540万円の
返還命令を出しました。
http://www.ombudsman.jp/data/080204.pdf
金沢市議に1人当たり月額25万円が会派に支給される政務調査費について、
領収書を添付する義務が無く、市民は領収書を見ることができません。
領収書が公開されていませんが、A4で1枚の「収支報告書」は公開されており、
その「会議費」の備考に「食糧費」「食料費」と記載があり、これは
使途基準に違反するとして、返還を求めて訴えていたものです。
金沢地裁は2006/1/23に、「会議費」項目の領収書等の提出を命じました
(平成17年(行ク)第8号 金沢地裁)が、2会派は提出命令に反して
証拠を出さず、それぞれ過料10万円に処す決定がでました。
しかしながら、1審判決では「飲食代金に充てられた部分は、本件使途基準に
反し違法である」としながらも、「どの部分が飲食代金に充てられたかは原告側が
主張立証すべきだ」とし、原告が敗訴した次第です。
高裁でも領収書等の文書提出命令が出ましたが、2会派はまたもや証拠を出さず、
それぞれ過料20万円に処す決定が出ました。
今回の2審判決では、文書提出命令に従わなかった2会派は「本件各支出の
具体的内訳に関する控訴人の主張立証を妨害し、本件の事案の解明を著しく
阻害したものというべき」とし、「とうてい許されないものといわなければ
ならない」と激しく非難しました。
その上で、控訴人側が推認した違法な食糧費・食料費分合計約1540万円に
対して市議団側は反論・反証を提出する姿勢を一切示していないため、
上記金額をもって本件各支出中飲食代金に充てられた部分であると
認めるのが相当とし、今回の判決になった次第です。
この判決は、特に領収書が公開されない中で裁判を戦っている事件に
与える影響は大きいと考えます。
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2006年6月19日 金沢地裁判決(「収支報告書」あり)
http://www.ombudsman.jp/data/060619.pdf
平成17年5月13日 金沢市公報
住民監査請求に係る監査の結果について(通知)
http://www4.city.kanazawa.lg.jp/mpsdata/web/4373/gai13.pdf
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2006年 06月 21日 市民オンブズマン事務局日誌
金沢市 政務調査費訴訟 敗訴 06/6/19
http://ombuds.exblog.jp/3278314/
2006年 01月 24日 市民オンブズマン事務局日誌
金沢市政務調査費 文書提出命令の決定 金沢地裁
http://ombuds.exblog.jp/2581004/
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2008年2月5日 読売新聞
「領収書提出せず立証妨害」政調費返還命令 戸惑う金沢市、議会
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20080205-OYT8T00093.htm
2008.2.4 21:58 産経新聞
市議会の食糧費を返還させよ 金沢市の政務調査費訴訟
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080204/trl0802042158009-n1.htm
2008/02/04-17:41 時事通信
金沢市長に返還請求命じる=議会2会派、政調費訴訟-名古屋高裁支部
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008020400701
08/2/4 15:45 北陸朝日放送
金沢の政務調査費訴訟、2審はオンブズ勝訴 (04日)
http://www.hab.co.jp/headline/news0000000675.html
2008年2月4日14時03分 読売新聞
会議費で飲食、帳簿類なくても違法…1540万円返還命令
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080204-OYT1T00361.htm?from=navr
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