名古屋市のごみ焼却施設「新南陽工場」談合事件をめぐる住民訴訟で
勝訴した住民グループが、同弁護団に対して市が提示した報酬額
196万円を約1億2400万円に増やすよう求めた民事訴訟の
裁判が07/9/27に名古屋地裁であり、名古屋市が弁護団に対して
報酬額3800万円を支払うよう命じました。
http://www.ombudsman.jp/dangou/070927.pdf
市民の立場から自治体の損害の回復を求める住民訴訟では、たとえ勝訴しても
訴えた市民に直接お金が入ることはありませんが、市民側の弁護士は
勝訴した場合、自治体に対して、弁護士報酬の支払を報酬額の範囲内で
相当と認められる額請求することができます(地方自治法242条の2の12)。
「新南陽工場」談合住民訴訟では、市民グループは談合による損害金の
返還を業者に求めて9年半かけて最高裁で勝訴が確定し、利息を含めた12億
4720万1661円が業者から名古屋市に返還されました。
市民グループ側の弁護士は、名古屋市に対して、経済的利益の額を返還金
全額とし、日弁連の報酬基準規程を元にした約1億2400万円の報酬を
請求しましたが、名古屋市側は「住民訴訟の経済的利益は算定不能で
あり800万円と見なされ、報酬は198万円と計算できる」と
主張してきたため、今回裁判になりました。
判決では、「住民訴訟における弁護士報酬額は、当事者と代理人弁護士
との間で締結された委任事務処理契約の内容を基準として算定すべき
であり、住民訴訟の法的性質の一面や、その申立手数料の取扱いに関する
形式的な類似性等の観点から、弁護士報酬の算定基準となる『経済的利益』を
一律に算定不能と解すべきものとするのは相当でない」としました。
判決では、弁護士報酬額は6327万0646円と算出した上で、
「市民側弁護士らの主張、立証等の訴訟活動の一部は上記勝訴判決に
反映されず、その一部は棄却されたことを併せ考慮されなければならない。」
とし、上記算出額のおよそ6割に当たる3800万円の支払を命じました。
市民の立場から自治体の損害について回復を求める住民訴訟は、
これまで数々の成果を上げてきました。
http://www.jkcc.gr.jp/data/00068.html
複雑な訴訟が多く、10年近くかかる裁判もざらにあります。
市民側弁護士が活躍しなければそれら勝訴はあり得ませんが、
勝訴したにもかかわらず市民側弁護士に入る報酬が不当に安すぎるとした
ならば、住民側の負担はあまりにも多く、だれも住民訴訟を起こすことが
できなくなってしまいますし、弁護士も受任しなくなってしまう
おそれがあります。
弁護士費用を不当に安く計算するのは名古屋市に限ったことではありません。
07/9/7には、京都市発注のごみ焼却炉談合住民訴訟の勝訴確定で業者から
約24億円の返還が京都市にあった件で、京都市が提示した弁護士報酬額が
約190万円なのは不当と、市民グループが約1億9000万円の
報酬を求めて京都地裁に提訴しています。
この判決によって、住民訴訟がもっと活発なものとなることを願います。
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・住民訴訟はどんな役割を果たして来たか 住民訴訟の勝訴判決リスト
2001.10.18 全国市民オンブズマン連絡会議
http://www.jkcc.gr.jp/data/00068.html
・住民訴訟制度の改悪問題(全国市民オンブズマン連絡会議、情報公開市民センター)
http://www.jkcc.gr.jp/menu5.html
・全国市民オンブズマン連絡会議 談合問題分科会
http://www.ombudsman.jp/dangou/
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・平成19年03月28日 京都地方裁判所判決
平成14年3月30日法律第4号による改正前の地方自治法242条の2第7項の規定に基づき,住民が,住民訴訟において勝訴した場合において,普通地方公共団体に対し,請求することができる「相当と認められる」弁護士報酬の額につき判断がなされた事例。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=34488&hanreiKbn=03
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2007年9月27日18時3分配信 毎日新聞
<弁護士費用>住民訴訟活動での一部増額認める 名古屋地裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070927-00000057-mai-soci
2007年9月27日 中日新聞夕刊
【社会】名古屋市側に3800万円命令 住民訴訟、勝訴の弁護士報酬
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007092702052040.html
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