内田@名古屋市民オンブズマン です。
政務調査費の処理をめぐって様々な疑惑が噴出している自民党
名古屋市議団ですが、ついに06/10/13に分裂しました。
自民党名古屋市議団21名のうち、9名が新会派「新風自民」を
結成しましたが、これが政務調査費の透明化につながるかどうかは
疑問です。
調査研究にしか使えない補助金である「政務調査費」は、名古屋市議会
では給料とは別に議員1人当たり月55万円が各会派に支払われております。
領収書は各会派に提出することになっており、市民には全く公開されて
おりません。
自民党名古屋市議団では、月55万円の政務調査費のうち、月50万円を
「個人経費」として各個人に配布し、月5万円分を「共通経費」として
市議団の活動に使うことにしているといいます。
2005年4月に、元自民党名古屋市議団長の西村建二氏が市議団に
提出した政務調査費の領収書のうち、「共通経費」分約250万円が
「不適切」だとして市議団が受理を拒否。西村氏は責任をとって離団しました。
市議団は西村氏が政務調査費を私的流用した疑いがあるとして愛知県警に
被害届を提出、西村氏は名誉毀損だとして市議団相手に提訴しています。
西村氏は記者会見の中で、「政務調査費の共通経費の一部をプールして、
選挙時に各団員に配布していた」と明言しました。
その発言を受け、名古屋市民オンブズマンは2003-04年度の
「共通経費」2870万円全額について不適切な支出がなされた疑いが
あるとして、2005年9月に返還を求める住民訴訟を起こしています。
06/7/13には、名古屋地裁で西村氏が「政務調査費をプールして
選挙時に分配していた」と証言しました。06/11/2に結審の予定。
判決が注目されます。
一方、「共通経費」以外の「個人経費」に関しても、疑惑が出ております。
04年度の政務調査費450万円を、当時病気療養中の元市議(06年
2月死亡)に支給したと06/8/4に報道がありました。
元市議の遺族は、とても政務調査活動をできる健康状態ではなく、秘書を
置いたこともなく、家族に調査活動を任せたこともないと証言しております。
元市議への政務調査費支給は、団長選挙の買収費用として使われたと、
自民党名古屋市議団所属の議員が発言した、と一部報道もありました。
この報道を受け、名古屋市民オンブズマンは06/9/8に住民監査請求を
行いました。11月上旬には監査結果が出る予定です。
これら一連の疑惑に対し、自民党名古屋市議団はこれまできちんとした
説明を行ってきませんでした。
今回新会派を作った9名は、現執行部の政務調査費疑惑に対する対応を
批判している、といいます。自らの政務調査費の今後の執行に当たっては、
公認会計士によるチェックなどを検討している、と報道がありました。
しかし、政務調査費の透明化はあくまでも領収書ならびに調査結果の
成果物を市民に公開することではじめて達成できるものです。
また、過去の政務調査費の支出に対する疑惑、特に選挙時の政務調査費
配布疑惑に対しては、新旧両会派はきちんと有権者に説明すべきです。
今回の「分裂」騒ぎは、市民不在の権力闘争としかみえません。
自民党の新旧会派だけでなく、名古屋市議会の他会派についても、
政務調査費の透明化に対する立場を鮮明にさせた上で、政務調査費を
07年4月に行われる名古屋市議選の争点にしたいと思います。
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名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ
http://www.ombnagoya.gr.jp/
都道府県・政令市 政務調査費調査(全国市民オンブズマン調べ)
http://www.ombudsman.jp/seimu.html
市民オンブズマン 事務局日誌 政務調査費
http://ombuds.exblog.jp/i9
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06/10/13 中日新聞夕刊
自民市議団が分裂 名古屋市議会
http://www.chunichi.co.jp/00/sei/20061013/eve_____sei_____004.shtml
06/10/13 毎日新聞夕刊
名古屋市議会自民会派分裂 9人が脱退、新会派
自民・名古屋市議「新会派」クリーンさ強調 公金透明化取り組む
真相解明への警鐘
06/10/13 中日新聞
名古屋市議会 自民市議団、分裂の動き
http://www.chunichi.co.jp/00/sei/20061013/mng_____sei_____002.shtml
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