市の「総括」公表を受け、名古屋城木造復元の再スタートが議論の正念場を迎えています。
座長は「誤ったものを示せば、かえって障害者差別を助長」と明言。
しかも傍聴3名・報道1名・撮影不可――閉じた場で条件が固まれば、差別は“設計”として固定化されます。
再発防止の最低条件は〈当事者恒常参画/録画公開/期日入り工程表〉の3つです。
・25/8/21 令和7年度第1回名古屋市障害者差別解消支援会議 配布資料
名古屋市民オンブズマンによるメモ
■年表
・2023年6月3日:バリアフリー市民討論会で差別発言(問題の起点)
・2024年9月18日:検証委員会 最終報告(是正提案)
・2025年5月16日:総括公表(方向性提示・工程不明)
・2025年8月8日:協議会(市長初出席・謝罪)
・2025年8月21日:市障害者差別解消支援会議(座長が警鐘)
■8月8日「障害者施策推進協議会」に引き続き開催 今回も「職員の苦悩や葛藤」に触れず
名古屋市が2025年5月16日総括公表を受け、2025年8月8日 第1回名古屋市障害者施策推進協議会に引き続き障害者団体に説明をしました。
メンバーが一部重なるため、市は8月8日と同内容の説明を繰り返しました。
一方で「職員の苦悩や葛藤」には今回も触れられず、市長も欠席。説明責任の範囲が狭いままです。
■当事者不在の構造的欠陥を再度指摘(入谷委員)
入谷忠宏・愛知県重度障害者団体連絡協議会事務局長は、8月8日に引き続き「『当事者参画』が必要で、『意見を聞く』だけではだめだ。アジア・パラやセントレアでは、障害者が委員会に入って意見を取り入れる良い流れができている」と述べました。
■誤ったものを示すとかえって障害者差別を助長(櫻井座長)
櫻井座長は「入谷委員の言う通り。建設的対話を行ってできあがったものは形として残る。世界からも見える。
バリアフリーを適切に配慮していない場合、誤ったものを示してしまうとかえって障害者差別を助長してしまう」と述べました。
また、「前回、市長がいらっしゃったというが、どういう話があったのか」市に質問しました。
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以下、分析です。
■【再発防止の最低条件】
・当事者の恒常的参画を制度化する(委員枠・議決権相当の関与)
・会議の録画公開を恒常化する(議事録公開時期を明記)
・期日入り工程表を示す(検証→決定→実装のマイルストーン)
■ 構造問題――会議間の断絶と情報非対称が“誤設計”を招く
複数の有識者会議が並行して開かれているにもかかわらず、会議間の情報共有が不十分です。結果として委員は横の議論を把握できず、判断の前提が各会議で異なる“断絶”が生まれています。これは工程の遅延だけでなく、誤った設計の固定化につながります。
今回、櫻井座長が前回の議論について質問したものの、市は全てを報告したわけではありませんでした。
概要がホームページに掲載されることになっていますが、2025年8月21日までには8月8日の概要は掲載されていませんでした。仮に概要が掲載されたとしても、議題程度です。
■ 数字で見る公開度
・傍聴 3名/報道 1名(撮影不可)
・議事録:担当者の手書き、公開時期不明
→ 市民・当事者の参画に対して、情報が恒常的に不足
8月8日会議は市長が出席することもあって、マスコミは全社来ていました。
議事録作成は、市の担当者が手書き(!)で行っており、いつになったら今回の議事録が作成されるかわかりません。
当事者の恒常的参画も当然必要ですが、「主権者」である市民への情報公開ならびに参画も必須です。
■名古屋城木造復元の経緯を踏まえて発言を
名古屋城木造復元事業が公にされて10年以上になっています。
市の担当者も約3年で交代し、マスコミも約3年で交代しており、当初から問題を追っている人は有識者を含めて数人のみです。
これまでの経緯を踏まえない思いつきの議論があまりにも多すぎます。
名古屋市民オンブズマンのホームページには毎回傍聴記録を書いているのですが、残念ながら細かすぎて全体像を把握するには不向きです。
マスコミも1回1回の記事は小さく、全体像が追えません。
ジャーナリストの毛利和雄氏(元NHK解説主幹)が執筆した『名古屋城・天守木造復元の落とし穴』(2024.07.01発行 新泉社)が事実上唯一のまとまったテキストです。
■今後の予定 ※一般傍聴可
・25/8/26(火)14時~ 令和7年度第2回名古屋市人権施策の推進にかかる有識者懇談会(市役所西庁舎12F)
・25/8/30(土)14時~ 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会(市政資料館)
・25/9/4(木)13時半~ 第67回福祉のまちづくり推進会議(名古屋市公館)
■あなたにできること
名古屋市民オンブズマンの財政がひっ迫しており、このままでは2026年には市民による監視の灯が消えます。
① 広げる:この記事をXにシェア(30秒)→「録画公開」への世論を可視化
※まずは 8月26日(火)の有識者懇談会前に拡散・投稿を。
② 深める:『落とし穴』の要点を1投稿(15分)→論点の地図が共有される
③ 支える:参加・寄付(継続)→工程表と当事者参画の制度化を後押し
誤った設計は差別を固定化する。名古屋城再始動の最低条件は〈当事者参画・録画公開・期日入り工程表〉の3つ。2025年8月26日(火)以降の関連会議が分岐点です。
シェア/要点投稿/参加・寄付で「決め方」を市民の手に。
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
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※参考論考:個別論点(例:EV)の是非を論じる記事が増えていますが、本稿はまず「当事者参画・公開・工程」という決め方の担保を優先する立場です。
・25/8/23(土) 8:16配信 PRESIDENT Online 香原 斗志
木造天守にエレベーターは本当に必要なのか…家康築城以来の大問題「名古屋城復元」に決定的に欠けている視点
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