あなたが市役所に情報公開請求を出した。すると、あなたの名前や所属が、こっそり職員に探られていた——。
こんなことが実際に名古屋市で起きました。
これは、行政があなたを監視する側に回った瞬間です。情報公開制度の根幹が揺らいでいます。
しかも、発覚しても職員は「懲戒処分」になりませんでした。
読売新聞の25/4/17のスクープで、名古屋市が情報公開請求者の身元を違法に探って「情報公開請求制度を壊死させる」行為を行っていたことが判明しました。
名古屋市は、市政情報室長について「個人情報の保護に関する法律第67条及び第69条第1項並びに地方公務員法第34条第1項に抵触」と認めています。
消費生活課長について「個人情報の保護に関する法律第64条及び第67条並びに地方公務員法第34条第1項に抵触」と認めています。
しかしながら「所属長厳重注意」(懲戒処分未満)にとどまっています。
これは単なる規則違反ではなく、市民の「知る権利」を委縮させる重大な人権侵害です。
そこで私たち名古屋市民オンブズマンは「懲戒処分の取扱方針」がどのようになっているのかを情報公開請求で調べました。
残念ながら「職員に対する措置(懲戒処分未満のもの)の量定の基準は「不存在」となりました。
※以下のリンクは、私たちが入手した「懲戒処分の取扱方針」の全文です。
今回開示された「懲戒処分の取扱方針」(令和5年12月1日施行のもの)では以下になっています。
つまり、名古屋市が自ら定めた処分方針に照らしても、今回のケースは明らかに処分対象になり得るはずなのです。
名古屋市は今回の件を自らは公にせず、2人の処分について「懲戒処分ではなかったことも含め、総合的に判断した」(25/4/18 毎日新聞)と説明していますが、市の懲戒処分取扱方針に照らしても、これは看過できる問題ではありません。
市政情報室長及び消費生活課長の行動が、下記に当たるのではないか、どうして懲戒処分にならないのか大変疑問です。
今回の行為が該当しうる処分基準は以下の通りです。
・「懲戒処分の取扱方針」(令和5年12月1日施行のもの)
(8)秘密漏えい
ア 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らした職員は、減給又は戒告とする。
イ 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。この場合において、自己又は第三者の利益に供するために不当な目的で秘密を洩らした職員は、免職とする。
(10)個人情報の不正使用
職務上知ることのできた個人情報を自己又は第三者の利益に供するために不当な目的に使用した職員は、免職、停職又は減給とする。
(11)個人の秘密情報の目的外収集
その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した職員は、減給又は戒告とする。
(12)コンピュータの職務目的外使用
職場のコンピュータを職務外の目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。
本来は懲戒処分にあたるものを「所属長厳重注意」(懲戒処分未満)にとどめたというのは、広沢一郎市長以下、問題を矮小化させようとしているようにしか見えません。
この問題を風化させないために、市民一人ひとりの関心が不可欠です。
ぜひ名古屋市の対応を注視し、声を上げてください。
名古屋市議会は25/5/20-22に臨時会が行われますので、そこでどのような議論になるのか注目してみましょう。
情報公開制度を守るために、市や市議に意見を送ったり、オンブズマンの取り組みに注目してください。
名古屋市民オンブズマンは、引き続きこの問題を追及します。
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・名古屋市民オンブズマン 情報公開条例ページ
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