名古屋市は24/1/10に「令和6年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」を行うとともに、予算要求(追加及び変更分)の内容についてのご意見募集を24/1/10(水)-24/1/22(月)まで行うと発表しました。
各局からの要求に対する財政局案の考え方は以下の通りです。
①所管局の要求(見積り)通り
②事業内容、積算内容を精査のうえ計上
③経常経費の範囲内で対応を検討
④現段階では未計上
⑤市長査定で対応を検討
それによれば、観光文化交流局関係予算では、名古屋城天守閣の整備(天守閣の整備に係る設計監理等支援業務委託、実施設計、木工事及び石垣保存対策等)4億600万円の要求を追加して行いましたが、「市長査定で対応を検討」(⑤)としました。
これでは内訳が分からないため、名古屋城総合事務所に24/1/12に電話で確認しました。
・設計監理等支援業務委託 400万円
・石垣保存対策支援業務委託 200万円
・事務費等 1254万8千円
・実施設計 800万円
・木材製材 9998万5千円
・石垣保存対策 2億7910万円
合計4億563万3千円
------------
名古屋城天守閣木造復元事業については、竹中工務店との2022年12月末までに完成させるという基本協定期限が切れ、「暫定的に」実施設計、木材製材等の期限が延長されています。
いまだにいつ完成するのかは不明です。
どうして完成する目処も立っていない中、木材を先に買ってしまい、保管料として年間約1億円も支出し続けるのか全く理解できません。
しかも後述の通り、順調にいっても着工まで約5年半かかるとしたら、さらに約5.5億円も税金が投入されることになります。
また、名古屋城木造天守閣昇降技術開発について、履行期間は2027/3/19であることが契約書の情報公開請求で判明しました。
履行期間後、文化庁復元検討委員会で検討(2年-2年半)、工事(6年半)だとすると、順調にいっても完成するのは今から約12年後の2036年度ではないか、と名古屋市民オンブズマンは試算しました。
障害者団体は「今回公募で決まった小型昇降技術は人権侵害であり承服できない。
市民を分断し、差別を助長する名古屋城木造天守復元事業を即時中止すること」と述べています。
日弁連も22/10/24に名古屋市に対し、「あえて大型エレベーターを設置しないのは差別でかつ憲法・条約・法律等に違反し、最上階までの大型エレベーターを設置するよう」要望しています。
このような「差別の城」に税金を投入し続けてよいのか、令和6年能登半島地震からの復興や、将来起こるとされている南海トラフ地震への備えが優先するのではないか、市民の良識が問われています。
ぜひ24/1/22(月)まで、予算財政局案に意見を言いましょう。
--------
・22/9/22 全国市民オンブズマン連絡会議
「予算編成過程・住民参加状況調査結果」
------
・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例
・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例施行細則
-------
・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
・名古屋市民オンブズマン・減税・予算編成過程の公開