河村たかし名古屋市長は、23/4/24(月)定例記者会見で、名古屋城木造復元事業が当初予定の2022年12月から遅れていることに対し「謝るよりしょうがない」と述べました。
・23/4/24(月)河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
名古屋城大小天守閣は、設備の老朽化や耐震性の確保のためとして、2018/5/7から入場禁止となっています。
記者から「入場禁止から5年経った。さらにまた5年、あと何年かかるかわからないが、入場収入を得るために仕掛けが必要になるのでは」と質問が出ました。
河村市長は「本当は(2020年東京)オリンピックまでに作ろうと思ってた。
石垣保存方法について、いろんな立場がある。文化庁から『慎重の上にも慎重にやらさせて』といわれた。
頼むからあと2-3年長生きしてちょう。
石垣保存方法については確たる理論がないよう。
本当に木造天守ができなかったら切腹といったが、時期が延びたやつは、ええか」と述べました。
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石垣修復や保存方法が大事だというのは、当初から分かっていました。
16/6/17読売新聞記事によれば、清水建設が石垣を先に補修すれば約350億円で済むも、2024年ごろの完成になり河村市長が要求する2020年7月の完成に間に合わないために、2016年3月締め切りの技術提案・交渉方式による公募型プロポーザルを辞退したとのことです。
それでも、「どうしても2020年7月までに完成させる」と強行したのは河村市長です。
結局、約505億円の竹中工務店と基本協定を結びました。
・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
公募型プロポーザルから7年。
特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)は大体まとまりましたが、当初から問題視されていた3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)はいまだに解決していません。
その結果、文化庁にまだ基本計画(案)を提出できていませんし、文化庁からの現状変更許可も出ていません。
現天守の解体も全く手つかずです。
2016-2021年度の名古屋城天守閣木造復元に係る経費は73億688万8764円です。
・23/1/21 「名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会」資料冊子(ダウンロード:PDF)
23/3/14 名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋市の荒川・天守閣整備担当主幹は「2023年度には文化庁の復元検討委員会で議論いただこうと考えている。概ね2年とか2年半かかると感じている。
その後現状変更許可で、その後木造天守の完成には6年半ぐらいかかると思う。
なので、2023年度からスタートしたとして約9年かかる。ある程度順調にいくと2032年度。」と述べました。
しかしながら、3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)が解決していないため、2032年度に完成するとは思えません。
にも関わらず、23/3/20河村市長定例記者会見では、「最短で2032年はわしは知らなかった。松雄副市長も知らなかった。市として確定した意見ではないと断言しておきたい。」と述べています。
また、「切腹発言」について、2019/4/1 河村たかし市長定例記者会見で「2022年12月末までに木造復元できなければ関係者全員切腹」と明確に述べています。
(記者)市長はどうなったら切腹ということですか。
(市長)そんな変なふうになったらですよ。これは本当に木造がつくれんようになって、何かわけがわからんということでとめられたりしたら。それはそういうことじゃないですか。
(記者)別に間に合わなければという意味ではないということですか。
(市長)間に合わなければも同じですよ。同じですよ、そんなの。
19/6/24大村愛知県知事は河村市長の『できなかったら切腹』発言は典型的なパワハラだ。としています。
河村市長は、いったい誰に対して何を謝っているのでしょうか。
自分の発言に全く責任を持てない人物が、建設費だけで505億円もかかる名古屋城木造復元事業を成し遂げられると思いますか?
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ