23/3/14 名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋市は名古屋城木造復元について「順調にいって2032年度」と初言及しました。
23/3/14 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
渡辺義郎市議(自民)は「2023年3月末までに基本計画書をまとめるということだが、順調にいっていつ木造復元出来る予定か」と質問しました。
名古屋市の荒川・天守閣整備担当主幹は「2023年度には文化庁の復元検討委員会で議論いただこうと考えている。
概ね2年とか2年半かかると感じている。
その後現状変更許可で、その後木造天守の完成には6年半ぐらいかかると思う。
なので、2023年度からスタートしたとして約9年かかる。ある程度順調にいくと2032年度。」と述べました。
一方、折戸観光文化交流局長は「現天守の解体と木造復元を一体とした現状変更許可については、時期は申し訳ありませんが明確には申し上げられない状況にある」と述べるも、「道筋がはっきりと見えてきたと認識している」としました。
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20/6/12特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第22回)では、復元検討委員会は2年半(8回)としています。
しかし、名古屋城の担当者は「復元検討委員会の回数について、文化庁から言われたわけではない」と述べています。
17/3/30第23回検討会議では、平澤毅・文化庁文化財部記念物課文化財調査官は「必要なら10回でも20回でも審議する」と述べています。
また、文化庁文化審議会文化財分科会で、また「指摘事項」がでれば、さらに名古屋市は回答をする必要があります。
前回は「解体申請」に対して指摘事項が出たので、「復元」についてもなんらかの「指摘事項」が出る可能性は極めて高いです。
・2021年5月 名古屋市 「現天守閣解体申請に対する文化庁からの指摘事項への回答」
・21/6/18 文化庁文化審議会文化財分科会の所見(要旨)
なお、22/7/13特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議天守閣部会第24回部会での『整備スケジュール』では、着工から6年半で完成としています。
バリアフリーの新技術については、日弁連から「最上階までの大型エレベーターを付けなければ憲法等違反で人権侵害」と要望が出ています。
・日弁連人権擁護委員会ニュース「人権を守る」95号 2023年3月1日発行
バリアフリー新法に準拠したエレベーターを最上階まで! ~名古屋城天守閣再建に関して名古屋市に要望~
一方、穴蔵石垣の地下の根石付近には、江戸時代の遺構が残っており、現天守閣を解体後に調査したうえでそれを壊さないような基礎構造を検討するとしています。
また、穴蔵石垣背面は現天守閣工事の際の土砂や廃材などで埋められており、現天守閣を解体して調査してから安全対策を検討する」としています。
これらにどの程度の年月がかかるかはわかりません。
仮に文化庁が現状変更許可を出し、工事も終了したとしても、23/2/17に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第27回)で座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授が述べたように、「名古屋市は現在木造復元天守に1時間2500人を上限と計画しているが、多いかもしれない。安全に見てもらえるためには、来た人をすべて入れるのはやめた方がいい」というのを採用すると、来場者だけで建設費・維持費等をまかなうのは事実上不可能となります。
竹中工務店が2016年3月に優秀交渉権者に選ばれてから早くも7年が経ちました。
今後「早くても9年かかる」と名古屋市は認めました。
「全責任は私が取る」「2022年12月末までに木造復元できなければ関係者全員切腹」と発言した河村たかし名古屋市長。
いつ着工するかわからない木造名古屋城復元事業に、すでに経費として2016年度~2021年度に73億688万8764円支出しており、さらに毎年1億円ずつ木材保管費用をかけています。
・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
・2019/4/1 河村たかし市長定例記者会見
「2022年12月末までに木造復元できなければ関係者全員切腹」
これまで名古屋市の甘すぎる予測はことごとく外れてきました。
いつまで名古屋市民は、名古屋市の「いつか名古屋城を木造復元出来る」につきあわされるのでしょうか。
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ