21/12/12に「東栄町をよくする会」が主催した、愛知県東栄町の東栄医療センターを巡る第8回学習会で、住民訴訟の代理人である名古屋市民オンブズマンの新海聡弁護士が「意見を聞かない多数決は最悪だ」と述べました。
新海弁護士は、「東栄診療所と民主主義!」のタイトルで講演しました。
新たに建設する「東栄診療所(ひだまりプラザ)」では入院病床が廃止されるなどとしてこれまで東栄町民が起こした病院設置条例改正を求める直接請求、町長リコール直接請求をふり返り、「これらは、首長や議会がちゃんと動いてくれないときに住民が決めることができると、法律で定められている。住民のことは住民で決めるのが地方自治体の民主主義の基本。
選挙で首長や議会を選ぶのは民主主義の一つの方法。
しかし、選挙結果だけをたよりに多数決で強行するのは最悪だ。
みんなの意見を聴いて、みんなの意見を合わせることが民主主義では求められているし、法律はそう予定している。
残念ながら、2回の直接請求はいずれも議会多数派が『多数決が全て』と勘違いし、十分住民に耳を傾けなかった。
そういう人にとって、住民からいろいろ意見が出てくるのは不気味だったのではないか。
2回の直接請求は行政にとって、説明責任を学ぶチャンスだったが逃してしまった。
その後町民は、新たな無床診療所などの複合施設建設に対し、町が厚生労働省からの補助金が申請できず、過疎債でまかなうのはおかしいとして、
町長個人に4268万円の賠償請求を求める住民訴訟を起こした。
そうなってはじめて『自分事』に感じたのか、愛知県の職員が必死になったのか、来年2月には厚生労働省からの補助金が町に出るかどうかわかるまでになった。
今後原告は裁判所に対し、『厚生労働省から補助金が出たら住民訴訟は取り下げるが、住民訴訟を取り下げるに当たって、町に種々の約束をさせる』方向で進んでいる。
町は裁判所に嘘をつくわけにはいかない。
東栄診療所をめぐる東栄町の問題は、民主主義のあらゆる部分の課題と処方が出ている。
民主主義は本来『平穏』ではない。
役所の情報を公開させ、住民がいろんな意見を出し合うことこそ民主主義である。
役所はしんどいが、権力を持っている人は説明責任を負うと、法律や情報公開条例に書いてある。
民主主義は分断ではない。どんどん情報公開請求や法律に書いてあるいろんな手段を使って、東栄町や東栄診療所をよくしていこう。
まだまだ東栄町の民主主義は動いている。」と述べました。
続いて、主催者の「東栄町をよくする会」は、22/11/1にオープンした「東栄診療所」(ひだまりプラザ)について、町が裁判所に提出した図面を会場に配布し、様々な疑問や使い勝手の悪さを町民が指摘しました。
その後の質疑も大変盛り上がりました。
住民訴訟の次回WEB準備手続き(非公開)は23/2/27(月)午前11時にオンラインで開催されます。
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・東栄町をよくする会
・名古屋市民オンブズマン 東栄町問題ページ