22/1/19に名古屋城木造復元事業市民向け説明会が開催された後、河村たかし名古屋市長のぶら下がり記者会見がありました。
22/1/19 名古屋城市民向け説明会後の河村たかし名古屋市長ぶら下がり
(名古屋市民オンブズマンによるメモ)
河村市長は、名古屋市が動画を一方的に配信していることを「説明会をオンラインでやる」と勘違いしていたことが判明しました。
河村市長は「説明会がオンラインでできると面白いけどね」と前向きな発言をしました。
また、昇降技術について新年度予算に提出する意向を示しましたが、新年度からしか公募できないかと聞かれて市の担当者は「そうなるかもしれない」と回答しました。
記者から、「先程の説明会では、名古屋城の中に火源(かげん、火の元)を一切使わないと説明があったが、昇降技術は火源にならないのか」と質問がありました。
佐治独歩・名古屋城総合事務所長は「まだ現時点で公募も始まっていませんので、どういう技術を採用するかということはお答えできない」としました。
記者は「逆に言うと火源になる提案というのは採用しないということか。エレベーターとか電気使うことになると思うんですけど」と質問し、名古屋城の担当者は「什器のエネルギーを勘案して防災計画を立てている。オーバーしないような制限をかけてバリアフリーの技術を公募しますんで、そういったことにはならないというふうに思います」としました。
記者から「説明資料には、これまでいくら使ったかというお金に関する説明が一つも無かったが」と質問があり、河村市長は「意図的ではない。してもいいんじゃないですか、別に。世界の宝、1000年持つ、無駄使いは1円もしていない」としました。
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現天守閣は、内部エレベーターが途中(7階建ての5階)までは行くことができます。
木造復元天守閣の昇降技術については、河村市長は2021年の市長選挙で『(車椅子の人に)5階で景色を見せてあげる』と言っていました。
しかし、障害者団体と連絡を取ることなく、バリアフリーの方針がいつのまにか「大天守1階まで昇ることを必須とし、可能な限り上層階まで昇ることができる」と変更になりました。
名古屋市は、一般財団法人日本消防設備安全センターから20/1/29に「消防設備システム評価」を取得しています。
しかし、昇降技術については、まだ公募していないため、上記システム評価の対象外です。
・名古屋城天守閣整備事業 消防設備システム評価について(避難誘導システム)
一部公開決定書
・名古屋城天守閣整備事業 消防設備システム評価について(避難誘導システム)
19/10/31に発生した首里城火災の出火元は分電盤が設置されていた正殿北東部分とみられており、延長コードにショートの痕跡が見られますが、原因は不明です。
昇降技術の公募条件はどのようになるのかわかりませんが、電気を使わないようにするのか。電気を使ったとして火源にならない方法がなにかあるのか不明です。
なお、昇降技術公募とは直接は関係ありませんが、電動車いす(ハンドル型) 走行中に発火・全焼した事例が数件あることが、一般社団法人 日本福祉用具・生活支援用具協会の調査でわかりました。
・一般社団法人 日本福祉用具・生活支援用具協会
福祉用具の重大製品事故に係る公表(1)(令和4年1月12日)
■重大製品事故であって、製品起因が疑われる事故
また、スマホ等で事故が発生した事例は平成22年度から平成26年度までの5年間に合計239件あったことが、独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センターの調査で判明しました。
数百年間の間の技術革新はどうなるかわかりませんが、一切火源を名古屋城天守閣内に入れない、ということが可能なのでしょうか。
消防設備システム評価書の多くが非公開なので、どうなっているかわかりません。
「万が一」の火災の際、どう避難するかは市民に知らせるべきではないでしょうか。
また、火源を城内に入れないための対策は何をするか(手荷物検査、手荷物預かりなど)も知らせるべきだと思います。
ただでもハードルが高い昇降技術公募ですが、火源問題でさらにハードルが高くなりました。
当初の予定通り2021年度中に公募開始できるのか、それとも予算を議会で通した上で来年度以降に公募開始がずれ込むのか。
市議会での議論が注目されます。
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ