名古屋城天守閣木造復元に先立ち、現天守閣の解体に関する現状変更許可申請を名古屋市が文化庁に提出している件で、大村知事は「現天守閣の解体の許可がでる見込みもない」と発言を繰り返しています。
発言の根拠について、愛知県教育委員会に情報公開請求したところ、以下書類が開示されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190806.pdf書類としては、文化庁から19/2/26に示された「現状変更許可申請提出にあたっての留意事項」(県教育委員会はインターネット上で入手)、文化庁が名古屋市に19/5/29に交付した「名古屋城の現状変更許可申請に係る名古屋市への確認事項」(県教育委員会担当者が19/6/26名古屋市議会経済水道委員会を傍聴した際に入手した配付資料)です。
「名古屋市への確認事項」は、元から黒塗りされているので、愛知県教育委員会としては全面開示とのこと。
担当者に聞いたところ、「文化財保護法188条では、政令市は都道府県教育委員会を経由せずに直接文化庁に書類を提出する。
名古屋城の件は、名古屋市の書類は愛知県教育委員会は保有していない」としました。
文化財保護法 第百八十八条(書類等の経由)
この法律の規定により文化財に関し文部科学大臣又は文化庁長官に提出すべき届書その他の書類及び物件の提出は、都道府県の教育委員会(当該文化財が指定都市の区域内に存する場合にあつては、当該指定都市の教育委員会。以下この条において同じ。)を経由すべきものとする。
2 都道府県の教育委員会は、前項に規定する書類及び物件を受理したときは、意見を具してこれを文部科学大臣又は文化庁長官に送付しなければならない。
3 この法律の規定により文化財に関し文部科学大臣又は文化庁長官が発する命令、勧告、指示その他の処分の告知は、都道府県の教育委員会を経由すべきものとする。ただし、特に緊急な場合は、この限りでない。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC1000000214&openerCode=1#853
愛知県教育委員会担当者に「黒塗りの『確認事項』を知事は見たのか」と聞いたところ、「特に知事に報告していない」としました。
愛知県教育委員会担当者から「文化庁に上記資料を情報公開請求したのか」と質問がありましたが「今回の資料はまだ情報公開請求していないが、基本的に全面非公開。黒塗りすらでない」と回答しました。
なお、「19/7/2知事定例記者会見で発言した、『19/7/1知事と石井啓一国土交通大臣と菅官房長官が話した内容』がわかるもの」は「不存在」でした。
県政策企画局政策調整課の担当者は「19/7/1には公務がなく、県として発言を承知していない」としました。
----------
今回の情報公開で、愛知県も「名古屋城の現状変更許可申請に係る名古屋市への確認事項」の中身を知らないことがわかりました。
どこまで名古屋市は秘密主義なのでしょうか。
--------
・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm