19/6/26に名古屋市議会経済水道委員会が開催され、19/6/21に文化庁文化審議会から現名古屋城天守閣先行解体の現状変更許可がでなかったにもかかわらず、木材保管庫予算案を市が議会に提出していることについて議論がなされました。
・19/6/26 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626.pdf・天守台石垣の保存方針
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-1.pdf・19/6/26 市長コメント
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-5.pdf
・19/6/26 名古屋市議会経済水道委員会午前分
・19/6/26 名古屋市議会経済水道委員会午後前半分
(半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
・19/6/26 名古屋市議会経済水道委員会午後後半分
(半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
名古屋城現天守閣の先行解体許可も文化庁からおりず、ましてや木造復元許可がおりる見通しもない中、名古屋市は既に木材について竹中工務店と94億5540万円契約を済ませています。
2019年3月末現在、すでに名古屋市は竹中工務店に約22億円支払い済です。
・契約書 名古屋城天守閣整備事業先行工事(木材の製材)
94億5540万円
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180612-2.pdf浅井正仁(自民・中川区)市議から、今回文化庁から選考解体の現状変更許可が出なかった責任は竹中工務店か名古屋市かどちらにあると聞かれ、名古屋市は「許可申請については名古屋市の責任だが、書類作成は双方で協議して作成するため、双方の責任」としました。
浅井市議は、竹中工務店と2022年12月に間に合うか話をしたかと問い、名古屋市は「今後打合せをしたい」と述べるにとどまりました。
浅井市議は「これまで各会派は要望や附帯決議を付けてきたが、全て無視して木材を買ってしまった。今年も17億円で木材を買うのか」と問い、名古屋市は「早急に明確なスケジュールを詰めたい」と述べるにとどまりました。
浅井市議は、名古屋市と文化庁とのやり取りが黒塗りばかりではないか、文化庁の誰に確認したのかと問いましたが、名古屋市は「情報公開制度にのっとって資料を提出した。文化審議会の審議に影響を及ぼすおそれがあると市が判断した」とするだけでした。
渡辺義郎(自民・北区)市議は「これは個人情報ではない。黒塗りの中には、『文化庁から2022年12月はダメだ』と言われたとはっきり書いてあるから出せないのではないか」としましたが、名古屋市は「情報公開条例に基づき、今は出せない」としたため、暫時休憩して公開を求めましたが、暫時休憩後も名古屋市は公開しませんでした。
うかい春美(民主・中村区)市議は、「石垣部会から指摘を受けている調査をきっちりすると何年かかるのか」と問いましたが、名古屋市は「掘ってみないとわからない」としました。
田辺雄一(公明・千種区)市議は「木材保管庫を作らなければ年間1億円かかるというが、仮に木材保管庫予算が否決された際、もっと安くする方法を考えるべきでは」としました。
浅井市議は、「文化財を守る立場の教育委員会文化財保護室長が、開発側の観光文化交流局と兼任して、教育委員会として石垣部会の意見に反して先行解体にOKをだした。オブザーバーとしてきてもらっている愛知県教育委員会とは意見交換もしていない。文化庁には教育委員会の学芸員も1回しか連れていかずに協議している」としました。
中川貴元(自民・東区)市議は「原点に返って、解体と復元の現状変更許可申請を同時に出すべきだ。市長が勇気ある決断ができないか」としました。
渡辺市議も「今後10年も20年も名城公園の広場が使えなくなるのは地元として困る。暫時休憩して、一度検討して欲しい」としたところ、松雄局長は「局長として、議会の議論を市長に伝え、予算取り下げができないか進言したい」としました。
その後議会が再開され、市長は以下コメントを出し、木材保管庫予算の取り下げ手続きに入りました。
名古屋城の現天守の解体に係る現状変更許可につきまして、去る6月21日の文化審議会の答申は得られておりませんが、第三専門調査会での継続審議となっております。
文化庁からはできるだけ速やかに結論を得たい旨の発言をいただき、臨時の第三専門調査会の開催についても日程調整を行っていただいていると伺っております。
また、本定例会における委員会での議論も重く受けとめ、今後竹中工務店、文化庁、地元の有識者と協議を進め、改めて再度ご提案してまいりたいと考えておりますので、いったん延期させていただく趣旨で議案を取り下げさせていただきたいと存じます。
これをもって、本議会での木材保管庫予算の議論は行わなくなりました。
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19/6/26建設通信新聞によれば、名古屋市は文化庁の9月定例会の議題になる可能性があるとしています。
河村市長はいまだに2022年12月完成を諦め切れていないようです。
河村市長以外は全員2022年12月完成は無理だと理解しています。
文化庁とのやり取りを全て公開し、2022年12月完成が無理だとした上で、今後どうすることが最善なのか、早急に議論しないと、損失だけが膨らんでしまいます。
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今後の予定
19/6/28(金)10時半~ 経済水道委員会付議議案審査(意思決定(2局一括))
19/7/1(月)13時~ 本会議(市長提出案件 委員長報告後、議決)
19/7/3(水)11時~ 名古屋城基本設計住民訴訟(名古屋地裁1102号法廷)
https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle19/7/8(月)18時半~「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/7/13(土)14時~ 三浦正幸氏講演会(鯱城ホール)(19/6/28申込必着)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190713.pdf19/7/20(土)18時~ 「名古屋城の石垣とバリアフリーについて、課題と展望」千田嘉博教授(札幌かに本家栄中央店)
http://www.fukkatu-nagoya.com/19/8/12(月)13時半~ 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/9/26(木)10時15分~ 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)
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名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ

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2019.06.26 建設通信新聞
木造復元へ工程見直し/名古屋城天守 解体に遅れ/名古屋市
https://www.kensetsunews.com/archives/336362
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