青森県議2人がブラジル視察に公金で視察に行ったのは違法だとして弘前市民オンブズパーソンが公金返還を求めて行った住民訴訟で、青森地裁は18/10/19に合計144万3495円全額の返還を命じました。
https://www.ombudsman.jp/data/181019.pdf青森県議2人は、五所川原市が「五所川原立佞武多海外情報発信事業」として行ったブラジルサンパウロ市への旅行に随伴して海外派遣を行いました。
五所川原市はサンパウロ市で行われるサンバカーニバルにあわせ、立佞武多山車を寄贈しました。議員は贈呈式に列席しました。
その後、議員は在ブラジル青森県人会の会員らと昼食会を行いました。
青森地裁は、「海外派遣の目的が、『五所川原立佞武多を活用した青森県とブラジルの国際交流及び青森県の国際振興に関する調査』としか記載されておらず、抽象的で漠然としている。
議員は五所川原市事業と本件海外派遣の目的の異同について具体的説明が出来ていないなど、本件海外派遣の目的は極めて曖昧。派遣先としてブラジルが選定されたことにも合理性はない」としました。
また、「カーニバルの詳細はネットや観光案内などを利用すれば十分に把握、調査することが出来る。五所川原市事業の状況もネットや市関係者への聴取などにより十分に把握することができる。
県人会の実態についてもネット等を利用すれば十分に把握できる。
報告書も、観光案内やインターネットなどの資料により容易に入手できる情報や抽象的な一般論にとどまっているか、単に当時の状況を説明するものにすぎず、その体裁・構成も五所川原市復命書とほぼ同様であり、実態としては起案を第三者に丸投げしていたと考えられ、各議員が県政に関する調査をしたと認めることはできない」としました。
「事前準備も、カーニバルがどれくらいの規模であるかを旅行会社から聴取したという程度のものに過ぎず」、「派遣後の各議員の活動も、議員を通じて、東京オリンピック関係組織に対し、立佞武多をイベントに活用できないか働きかけを試みたとするが、議員から具体的な予算確保がなければ紹介できないと応答され、上記関係組織に接触することすらできていない」として、本件海外派遣を行わなければならない必要性に欠けるとしました。
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弘前市民オンブズパーソンのブログ
https://blogs.yahoo.co.jp/onb_hirosaki
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2018年10月19日 19時44分 NHK
青森県議の海外視察「公務ではない」145万円の返還命じる判決
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181019/k10011678371000.html2018年10月20日 東奥日報
県議サンバ視察の意義を否定/青森地裁判決
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/1031622018年10月20日 14時50分 毎日新聞
青森地裁:県議ブラジル視察は不要 知事に返還請求命じる
地裁"県議視察は不要"と結論
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-1020e040239/