NPO法人 情報公開市民センターが、「1966年に日本武道館で行われたビートルズ日本公演に関し、警視庁警備部が撮影したフィルム」の情報公開を求めた訴訟で、東京高裁は18/5/23に敗訴判決を出しました。
http://www.jkcc.gr.jp/data/180523.pdf2014/1/3に1966年にビートルズが来日した際の警備状況を記録した映像フィルムが警視庁に残っていると日本経済新聞が報じました。
情報公開市民センターは上記フィルムを 14/2/25に情報公開請求したところ、14/3/13づけで全面非公開決定が出ました
http://www.jkcc.gr.jp/data/140313.pdf【非公開にした理由】
・個人に関する情報で、特定の個人を識別することができるものであるため
・警備実施に係る情報であり、公にすることにより、警備手法等が明らかとなるなど、犯罪の予防、鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると認められるため
再度上記フィルムを15/2/10に情報公開請求したところ、15/2/25に「警備を行っている警察官の容貌および、ビートルズ以外の民間人の容貌」以外の一部開示決定が出ました。
http://www.jkcc.gr.jp/data/150225.pdf【非公開にした理由】
ビートルズ来日公演前後の日本武道館内外及び宿泊先から空港までの全般において人出の状況やその容姿が記録されており、これらの情報は、個人に関する情報で、特定の個人を識別することができるものであるため。
警視庁からは、「映像の一部開示については、モザイク処理を業者に 頼まないといけないため当方に費用を請求したい。70-80万円程度かかる予定」と言われましたが、「一部開示の映像は見ない。決定書だけほしい」旨回答しました。
15/4/26に情報公開市民センターは東京都公安委員会に一部非開示決定の取消を求めて審査請求を行いましたが、東京都情報公開審査会は16/7/7に「取り消すべきものとは認められない」としました。
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/07/40q77100.htmlその後東京都公安委員会は16/8/19に審査請求を棄却しました。
http://www.jkcc.gr.jp/data/160819.pdf情報公開市民センターは17/1/26に東京地裁に提訴しましたが、17/12/20に敗訴しました。
http://www.jkcc.gr.jp/data/171222.pdfその後17/12/26に控訴しましたが、今回18/5/23に東京高裁で敗訴しました。
http://www.jkcc.gr.jp/data/180523.pdf・映像中の個人の容貌は約50年前に撮影されたものであることを考慮に入れても「個人に関する情報で特定の個人を識別することができるもの」に該当することが明らかである。
・慣行として公にされ、又は公にすることが予定されているものに当たるとはいえない。
・警察官の容貌も非開示情報から除外されていないものと解するのが常識的である。
情報公開市民センターは上告する予定です。
なお、18/1/19に再度上記フィルムを情報公開請求しましたが、18/2/1に全面非開示決定が出ました。
http://www.jkcc.gr.jp/data/180201.pdf----
NPO法人 情報公開市民センター
ビートルズ来日公演警備情報非公開決定(警視庁) 提訴
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2018年1月27日 東京新聞夕刊
【社会】ビートルズ「幻の映像」公開を 市民団体が東京高裁で係争中