名古屋城天守閣木造化に関し、河村市長は17/12/18記者会見で「車椅子の人は昔の剛力みたいに手で支えて上がれば、コミュニケーションがとれる」と発言しました。
・平成29年12月18日 名古屋市長河村たかし 定例記者会見
・文字起こし(名古屋市民オンブズマン作成)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/171218.pdf2013年6月19日本会議でも河村市長は「背負子(しょいこ)」で名古屋市立大の学生にボランティアで上がってもらったらどうかと発言しています。
http://www.kaigiroku.net/kensaku/nagoya/nagoya.html現在また木造天守閣にエレベーターをつけるかどうかが議論になっていますが、河村市長は何回も「エレベーターをつけずに人力で何とかする」と発言しており、これは信念です。
市長にいくら信念があっても、バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)14条では、不特定多数が利用する特別特定建築物を新築する際は、建築物移動等円滑化基準に適合させなければなりません。
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/法律というのは、人権を守るためにあるのであり、時の為政者の好き勝手なことをあらかじめ防止するためにあります。
多くの市民が仮にバリアフリー法違反の建築を望んでも、法治国家である以上は認められません。
また、市長が何回も繰り返す「市民の圧倒的な民意」ですが、2016年5月に行われた2万人アンケート説明資料では「小型エレベーター設置を検討」(車椅子利用可 4人乗り)とあり、エレベーター無しの前提ではありません。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160511-1.pdfしかも、以下の3択では、2020年までに木造は一番少なく21.5%でした。
2万人中7,224人
・2020年7月までに木造復元 21.5%
・2020年7月にとらわれず木造復元 40.6%
・現天守閣の耐震改修工事 26.3%
・その他6.2%
・無回答5.4%
現在、なぜか2022年12月までの木造復元を名古屋市は目指していますが、市民にきちんとした情報も出さず、市民の意見も聞かず、しかも違法建築を建てて人権侵害を行おうとしています。
エレベーター設置に関する庁内の検討会を年内に設けると市長は発言しましたが、「違法建築は建てられない」ことは、市長以外の市職員は全員知っており、なにを検討するのかまったくわかりません。
車椅子利用者などで作る愛知障害フォーラム(ADF) は、あくまでもエレベーター設置を求めています。
「チェアリフト」でも「階段昇降機」でもありませんし、ましてや「背負子」「剛力」でもありません。
http://aichidisabilityforum.com/#nagoyajyou竹中工務店との契約上、2018年2月末で基本設計を終了させることになっており、エレベーター設置問題を解決しないことには成果物が市に引き渡せません。
・名古屋城天守閣整備事業基本設計その他業務委託 契約書
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-2.pdf今後、「名古屋市のせいで成果物が引き渡せなかった」と、竹中工務店は名古屋市を訴えるのでしょうか。
「全責任は私が取る」と2015/8/24に河村市長は名古屋市市民経済局長に指示書を出しています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdfどのように「責任を取る」のか見ものです。
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名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm