17/11/15名古屋市財政福祉委員会で、名古屋市は「市民税5%減税の検証について」を報告しました。
・平成29年11月15日 財政福祉委員会説明資料 市民税5%減税の検証について
http://nagoya.ombudsman.jp/data/171115.pdf ・平成29年11月 市民税5%減税検証報告書 市民税5%減税検証プロジェクトチーム
http://nagoya.ombudsman.jp/data/171115-1.pdfマクロ計量モデルによる経済的影響のシミュレーション分析によれば、「市民税5%減税しない方が、市内総生産や民間最終消費支出、企業所得が伸びる」というものです。
理由としては、「実際の財政運営にあたっては、減税による減収分を投資的経費に充当する場合、税収のみではなく、国庫支出金などの特定財源も活用することが一般的であることから、今回はその点も考慮に入れて、一定の仮定を置いた前提のもとで特定財源を活用する場合のシミュレーションを行った」ためです。
上記は、例えば地下鉄にホームドアを設置する場合、国から35%の補助が出ます。
http://www.mlit.go.jp/common/001156621.pdfその他、耐震対策などほとんどの事業で、名古屋市が事業を行えば国から補助金が出ます。
減税しなければその分投資的経費に回せ、国からも補助金が出て、市内総生産等が伸びるという意味です。
名古屋市は平成23年度予算編成から「予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例」に基づき、各課から予算要求があった事業に対する財政局査定、市長査定を公開しています。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-0-0-0-0-0-0-0.htmlどの事業が予算要求しても財政局・市長によって通らなかったかがわかります。
名古屋市は、平成22年度~29年度で個人市民税・法人市民税を合計880億円も減税しています。
H22 161億円
H23 61億円
H24 78億円
H25 113億円
H26 118億円
H27 116億円
H28 116億円
H29予算 117億円
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-7-2-4-12-0-0-0-0-0.html今後も個人市民税・法人市民税を5%減税すると、年間120億円程度減収となる見込みです。
H30見込み 119億円
H31見込み 121億円
H32見込み 117億円
H33見込み 116億円
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000073/73922/30-33zaiseishuusi.pdfそもそも、名古屋市民約230万人のうち、個人市民税納税義務者数は約110万人で、約半分は個人市民税を納めておらず、直接の減税の対象にはなっていません。
その上、市内総生産等が市民税減税をすると伸びない、とすれば、何のための市民税減税なのかまったくわかりません。
名古屋市が今後も5%減税を続けるとしたら、市民にきちんとした説明をすべきです。
また、過去880億円の減税の効果を説明せずに減税し続けるのは怠慢です。
名古屋市は市民・法人からアンケートを回収しています。悲鳴にも似た意見がたくさん掲載されています。市民の間で減税を巡る議論がきちんとなされることを望みます。
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名古屋市民オンブズマン 予算編成過程の公開
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/yosan/index.htm