政府は、軽過失の際に首長の賠償額の上限を定めることを可能にする地方自治法改正案を17/3/10に閣議決定しました。
また、議会による損害賠償請求権の放棄の議決の前に、監査委員からの意見を聴取することも法案に盛り込みました。
平成29年3月10日 総務省 地方自治法等の一部を改正する法律案
http://www.soumu.go.jp/menu_hourei/k_houan.html 概要PDF 要綱PDF 法律案・理由PDF 新旧対照条文PDF
参照条文PDF
(所管課室名)
自治行政局行政課
自治行政局市町村課行政経営支援室
報道によれば、首長の賠償額の上限は年収の6倍程度とする基準を示す方針とのこと。
全国市民オンブズマン連絡会議は、2016/2/26に「地方公共団体の長等の損害賠償責任につき軽過失免責とする方向での住民訴訟制度の改悪に断固反対する」声明を発表しました。
http://www.ombudsman.jp/data/160226.pdf畠田健治弁護士(日本弁護士連合会・行政訴訟センター副委員長)は、「長の過失責任が問題となった昭和44年~平成28年の1審裁判例370件のうち財務会計が違法は135件。故意または過失あり97件。過失なし27件。 判決文で『明らかに故意又は重過失』15件。それ以外の82件は故意又は過失。うち63件は故意もしくは重過失。
軽過失免責となると、今でも高いハードルがさらに高くなると考えられる」としています。
現在でも首長の責任を住民訴訟で問うことは大変困難です。
法律が改正され、公費の無駄遣いが増えることを心配します。
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2017年 03月 10日 08:34 JST ロイター
住民訴訟、賠償額に上限設定へ
http://jp.reuters.com/article/idJP20170310010010922017年03月09日 15時02分 読売新聞
住民訴訟、首長の賠償逃れを規制…政府が改革案
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170309-OYT1T50058.html