「名古屋市民議会」が16/10/22に名古屋市緑区生涯学習センター で第一回町づくり懇談会を開催し、名古屋市民オンブズマンの内田隆氏が講演「市議の仕事とはなにか? 」~名古屋市議「口利き記録」分析から見えるもの~を行い、30名集まり大盛況でした。
動画
学習会の資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/161022.pdf
当日イベント案内
https://www.facebook.com/events/1100119003429335/
内田氏は、
・そもそもオンブズマンって?
・オンブズマンはどういう組織で何のためにやっているの?
・そして、全国、とりわけ名古屋市議は?
という視点で話をし、ボランティアベースで行っている市民オンブズマン活動の方が、報酬をもらった上でさらに政務調査費・政務活動費をもらっている議員よりなぜ役所を追及できるのか、市議・県議をチェックするにはどうすればよいかを説明しました。
議会・議員を活性化させるためには、市民のチェックが必要不可欠です。
名古屋市民オンブズマンでは、過去多数議会・議員を追及してきましたが、近年以下3つの方法で追及しました。
1)名古屋市議 2011年度 本会議質問回数調査と質問内容評価
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/giin/130115nagoya.pdf
2)愛知県議 政務活動費と質問回数、当落関係調査(評価基準は別紙)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/seimu/aichiseimu2011-14.pdf
3)2016年9月 全都道府県・政令市・中核市「口利き」記録制度調査
http://www.ombudsman.jp/taikai/kuchi2016-2.pdf
1)については、本会議質問回数を数えるだけでなく、質問内容に踏み込んで評価しました。
2)については、質問回数と政務活動費の金額、当落との関係を調査し、質問回数と当落にはあまり関係がなく、人件費と事務所費に多く使った議員は1位当選しやすい結果となりました。
しかしながら、議員は「本会議や委員会質疑だけで評価してもらっては困る。有権者からの意見を吸い上げ、当局に働きかけをすることも極めて重要な仕事だ」ということを何度も市民オンブズマンに対して言ってきます。
それを受けて、実際議員はどのような働きかけをしているのか、調査をしてみようというのが今回の「口利き記録」制度調査です。
2014年12月15日、「名古屋市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例」が施行され、すべての要望・働きかけが記録されることになりました。
名古屋市民オンブズマンは、2014年12月15日以降の公職者からの働きかけをすべて情報公開請求し、分析しました。開示された文書は、議員は実名、働きかけ者もほぼ実名です。
名古屋市平成27年度記録739件中名古屋市議からの働きかけは114件でした。
当局が「違法・不当な働きかけ」としたのは0件でした。
i)有権者の自治体への要望の代弁89件
ii)入札・契約3件
iii)特定企業・団体・個人の要望 18件
iv)資料提供を求める12件
v)(元)職員からの苦情6件
i)有権者の自治体への要望の代弁 については、「草をむしれ」など議員経由で言わなくても、直接気づいた市民が行政に言えばよいのではないか、その仕組みを作ることの方が重要ではないかとしました。
ii)入札・契約については、特定の業者と癒着しているとされてもおかしくないとしました。
iii)特定企業・団体・個人の要望 についても、非常に不透明で、癒着が疑われるとしました。
iv)資料提供を求める については、団体と行政との関係が密接だったとしても、議員が自ら調べることなく、役人に調査を丸投げしてよいのか疑問だとしました。
内田氏は、「口利き記録を見れば議員の質が分かる。議員にしかできないこと、立派な働きかけをしている議員を見つけ、評価していこう」としました。
会場からは「口利き記録制度でここまで分かるとは思わなかった。」「各書類、はんこの数が違うのはどうしてか」「議員に任せきりではなく、私たち市民がつながる必要がある」など意見が出ました。
名古屋市民オンブズマンは、さらに分析を行い、違法・不当が疑われる案件については調査するとともに、口利き記録から議員のあり方を問い直そうと参加者に呼びかけました。
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名古屋市民オンブズマン 口利き問題特設ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/kuchi/index.htm