名古屋市は16/2/12に2016年度当初予算案を発表し、「名古屋城天守閣の整備検討」として2987万8千円を計上しました。
・名古屋市 おもな施策等一覧
観光文化交流局(市民経済局)名古屋城天守閣の整備検討
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160212-1.pdf
・平成28年度名古屋市各会計予算
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000079510.html
詳細について名古屋城総合事務所整備室に16/2/18に電話で問い合わせしました。
・「技術提案・交渉方式の公募結果等の報告会」の詳細は、16/2/12中日新聞夕刊に記載された程度しか決まっておらず、現在検討中である。
2016/2/12中日新聞夕刊
アンケートは、ゼネコンからの技術提案を受け、計画概要が明確となった段階で実施。無作為抽出の十八歳以上の二万人を対象とした郵送方式で、設問は今後検討する。詳細な説明資料やDVDを添えるほか、四月下旬に計五回開催する技術提案の公募結果の報告会を案内。木造復元構想を十分に理解してもらった上で回答してもらう考えだ。
・「課題等検討会」は必要があるだろうとして予算計上した。整備の方向性が決まった場合、必要に応じて開催する予定である。
今後開催される「報告会」が、名古屋市の一方的な説明会に終わってしまうのであれば、市民からの疑問点が伝わらないままアンケートに回答する危険性があります。
名古屋市は、「2万人アンケートが現在考えられる最も民主的手法だ」としていますが、日本でも世界でも「熟議民主主義」に基づく討論を経て政策決定を行う手法が多数行われています。
(討議制意見調査、コンセンサス会議、計画細胞、市民陪審制)
「少なくとも1年間程度時間をかけ、市民内でも熟議を尽くしてから方針を決めるのが『民主主義発祥の地ナゴヤ』にふさわしいのではないか」という意見を市に出したところ、まともな回答はありませんでした。
・「平成28年度予算要求内容の公開」に対する市民意見の内容及び市の考え方
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-13-1-7-0-0-0-0.html
2/19から開催される名古屋市議会においては、アンケートの中身は当然として、タウンミーティングの二の舞にならない「説明会」のありかたを議論してもらいたいです。
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参考文献
『市民の政治学 討議デモクラシーとは何か』篠原一 岩波新書 2004
『熟議の理由 民主主義の政治理論』田村哲樹 勁草書房 2008
『人々の声が響きあうとき 熟議空間と民主主義』ジェイムズ・S・フィシュキン 早川書房 2011
『市民協働になぜ熟議なのか?』田村哲樹 「生涯学習政策研究」 悠光堂 2013
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城木造天守閣ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm