大阪の弁護士が、13/2/27に「カウンターインテリジェンス情報公開訴訟」を
提訴しました。
訴訟の概要を以下まとめてみました。
なお、13/4/20大阪弁護士会シンポで、訴訟の概要の報告があるとのことです。
http://www.osakaben.or.jp/web/event/2013/130420.php
・カウンターインテリジェンスとは?
外国情報機関の我が国に対する情報収集活動の状況及び様態に
関する情報及び外国情報機関の情報収集活動による被害を
防止するための方策に関する情報。
(いわゆる外国の「諜報機関」に対抗する方法)
・「カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針」とは?
政府が平成19年8月9日に策定。
これにもとづき「秘密取扱者適格性確認制度」が導入された。
上記確認制度は秘密保全法制における適性評価制度を事実上、先取りしたもの。
概要は以下内閣官房ページに記載。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/counterintelligence/pdf/basic_decision_summary.pdf http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/counterintelligence/index.html
・だれが何のために何を情報公開請求したか?
大阪の弁護士が、秘密保全法の立法事実を明らかにするため、
上記「カウンターインテリジェンス機能の強化に関する基本方針」を
平成23年12月11日に内閣官房に対して情報公開請求した。
・当初なにが非公開とされたか?
上記文書のうち、「我が国の情報保全業務や事案対処要領のうち具体的な
内容が記載されている部分」は,「公にすることにより,他国機関等から
対抗・妨害措置を講じられ,政府における情報保全事務の適正な
遂行支障をおよぼすおそれがあり,ひいては我が国の安全が害される
おそれがある」として、情報公開法5条第3号及び第6号に該当する
として非公開になった。(甲3号証)
http://nagoya.ombudsman.jp/himitsu/counter-3.pdf
・審査請求で何が開示されたか。
平成24年2月9日に内閣総理大臣宛に審査請求したところ、
同年7月24日に情報公開審査会は以下答申を出した。
http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h24-03/129.pdf
既に開示されている情報と同様の内容,内閣官房ホームページに
おいて公表されている情報と同種の内容等が記載されている部分を開示せよ
内閣官房はそれに基づき開示した。
(甲10号証の赤線部分)
http://nagoya.ombudsman.jp/himitsu/counter-10.pdf
・本件訴訟の意義
上記赤線部分を除く非公開部分の取消訴訟を平成25年2月27日に
大阪地裁に提訴した。
http://nagoya.ombudsman.jp/himitsu/counter130227.pdf
1)本件方針に基づく「秘密取扱者適格性確認制度」は違憲・違法である
2)国の安全や外交関係といった抽象的な利益では不十分であり,
具体的な説明が必要である
3)司法が国民の知る権利をどの程度本気で保障しようと
しているのかを示すものとなろう
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参考 2013年4月17日 日本弁護士連合会
秘密取扱者適格性確認制度に対する説明責任を求めるとともに、
秘密保全法制定に反対する会長声明
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/130417_2.html
↑異議申立てで開示された、カウンターインテリジェンスの定義など
(赤線部分が開示)