本日自民党名古屋市議団への住民監査請求が棄却された。
住民監査請求の結果本文はこちら。以下は記者会見の様子。
住民監査請求とは、自治体の公金の使われ方に対し、違法または不当だとその自治体の住民が考えればだれでもその公金の返還を求められるという制度だ。名古屋市在住の名古屋市民オンブズマンのメンバー7名が監査委員に対して2005年6月15日に住民監査請求を行った。60日以内に結果を出さないといけないので、本日監査委員が結果を出した。
今回の住民監査請求のきっかけは、自民党名古屋市議団の内紛である。自民党名古屋市議団は1人当たり月55万円支給される政務調査費のうち5万円を「共通経費」として各議員から集めていたようだが、前団長が共通経費の使い込みをし、会派内の人にとがめられ、結局市議団を離団した(まだ市議会議員ではある。)しかし、前団長がその後「プール金」の存在を明らかにしたことで事態は大きく変化した。余った政務調査費は市に返還しなければならないのだ。「プール金」の2003年度410万円、2004年度150万円が宙に浮いた形となった。
結局、自民党名古屋市議団の現執行部が2003年度の410万円を市に返還した。理由は「過去の報告書が間違っていたから」というものだけ。
市民オンブズマンは、「前団長の言い分が正しいのか、現団長の言い分が正しいのかはともかく、"共通経費"の使い方があまりにもずさんだから、監査委員に一度調べてもらおう」と住民監査請求した。
しかし、監査委員の出した結論は「領収書をみることができなかったので分かりませんでした。違法・不当かどうか判断できなかったからシロ」というものだった。
監査委員は、公金の支出を調査するためにわざわざ設けているのである。強制力がある権限がなくても、「領収書を見ることが出来ませんでした」とうれしそうにいうものではない。記者会見で、名古屋市民オンブズマン一同があきれかえった。
というのも、先日滋賀県議会の政務調査費で、同様の住民監査請求がおこり、こちらは監査委員が返還の勧告を出しているのだ。
滋賀県の住民監査請求の結果はこちら
滋賀の事例は、滋賀県自民党系会派が、自民党滋賀県連に対して調査を委託しており、政治活動ではないかと滋賀の市民オンブズマンが住民監査請求したものだ。滋賀県では政務調査費の領収書は公開されていないが、主な支出の内容が記載されており、どんな調査研究がなされたのか、研修のテーマは、などが簡単に記載されている。(第9回情報公開度ランキングでは、滋賀県の政務調査費は「活動成果」が5点(満点)、収支明細が3点(10点満点)と、他県に比べれば比較的よい。)また、「政務調査費のしおり」を作成しており、使途基準を具体的に定めている。
住民監査請求結果によると、滋賀県の監査委員は、自民党系会派による抵抗を受けながらも、領収書を実際に見て監査したようである。以下引用。
なお、関係人調査に当たって、本件政務調査費等に係る会計帳簿、証拠書類等について湖翔クラブに対し提示の協力を求めたところ、個人情報が含まれていること、政治活動全般について類推されるおそれがあること等から、証拠書類等の提示は一部に止まった。特に、調査研究費、研修費および会議費について提示することは基本的に困難であるとのことであり、うち調査研究費および研修費については、その一部を整理した資料の提出を受けた。また、資料作成費、資料購入費、広報費および事務費については項目ごとに整理した資料の提出があった。これらの提出を受けた資料に基づき、事情を聴取し、必要に応じて証拠書類等の提示を求めて関係人調査を進めた。
そこまでして監査をしたところ、 靖国神社の玉ぐし料などへの支出のほか、慶弔餞別費への支出や単年度収支のルールに反した会計処理が見つかり、少なくとも計約313万円は違法、不当な支出と指摘した。
滋賀の市民オンブズマンは、これでもまだ不満だと住民訴訟をおこすという。「名古屋市の監査委員は政務調査費の領収書を見ずに監査したんですよ」と伝えると、「名古屋市の監査委員はふざけているのか」と。
名古屋市議会のごたごたも情けないが、名古屋市監査委員のあまりの弱腰も情けない。住民監査請求が却下または棄却(住民の主張が通らない)されたばあい、住民訴訟を起こして裁判所で決着をつけることが出来る。当然名古屋市民オンブズマンとしては住民訴訟で白黒つけたい。自民党名古屋市議団の前・現団長の主張はどちらが正しいのか裁判所で判断してもらおう。