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2011年 11月 18日
中京大学法学部「行政法IIB」の特別講義に11/11/18に全国市民オンブズマン連絡会議
事務局の内田隆が呼ばれて「『主権者としての快感』市民オンブズマン活動と私」と 題して話をしてきました。 ![]() ・レジュメと配布資料 http://www.ombudsman.jp/data/111118.pdf ・パワーポイント http://www.ombudsman.jp/data/PPT111118.pdf ・パワーポイントをPDFにしたもの http://www.ombudsman.jp/data/PDF111118.pdf まず、コーディネートしてくださった山岸敬子教授から「『主権者』であれば『快感』 ではなく『満足』のほうがよいのではないか」と事前に提案があるも、『快感』をぜひ伝えたいと 断ったエピソードを話しました。 はじめに、授業を聴いている人は大学3年生・4年生とのこと。 「20歳になれば有権者になるが、『主権者』としてなにか行動したことがあるか、 ちょっと振り返ってください」と話しました。 最初は戸惑っていた学生も、「選挙」や「納税」、「議会傍聴」などを挙げました。 私は、「名古屋市民なら、議会解散の住民投票」や「請願」、「情報公開請求」や 「住民監査請求・住民訴訟」、さらには「一票の格差訴訟」などもあるのではないかと 話しました。 次に、「今、上記のことが主権者の権利としてできることがわかった。 では、それら有権者の権利を実際に行使するか?もししないのなら、どうしてしないのか。」 をたずねました。 学生は、「たとえ声を上げたとしても、思い通りにはならないからやらないのではないか」など 意見を出しました。 私は、「それもそうだし、役所が専門化し、ある程度知識がないとものが言えないと 思っているからではないか。さらに、本来役所のチェック役のはずの議会が 本来の役目を十分に果たしていないからではないか。 よって、ほとんどの有権者はその実感がないのではないか」と述べました。 私は「有権者としての実感が無く、何をしてもかわらないという無力感が、 国の1000兆円借金を生んだのではないか。 では、実際に『何をしてもかわらない』のか、具体的な市民オンブズマン活動を みてみよう」として、過去の活動の紹介をしました。 情報公開請求は誰でも(何人も)可能で、今ではFAX1枚ででき、15日以内に 自治体は何らかの回答をしなければいけないことをまず説明しました。 平成元年の名古屋市交際費は、相手方がすべて黒塗りになっており、 これでは税金を納めている身としては、とても納得いかないことが、 学生の間でも共有できました。 市民オンブズマンというのは、だれでも持っている権利を使って、役所のチェックを する市民団体のこと。 1995年に官官接待を全国一斉に情報公開請求したところ、調べただけで52億円もの 税金が飲み食いに使われていたことが判明したこと。 不正を取り締まるはずの監査委員のカラ出張を調べたところ、膨大なカラ出張が 判明し、25都道府県で436億円の不正を自治体自ら認めたことを紹介しました。 毎年行ってきた情報公開度ランキングでは、年を経るごとに情報公開度が高まり、 交際費の開示度を示した真っ黒な日本地図が真っ白になったことがわかりました。 2001年3月27日の最高裁判決に従っていた静岡県はずっと真っ黒で、 他の県は最高裁基準をはるかに上回る開示度であることも紹介しました。 交際費の公開に伴い、名古屋市長の交際費は平成元年4月の1ヶ月間で150万円の 予算があったものが、現在では1ヶ月約6万円と、激減していることも紹介しました。 道路等の談合を間接的に立証する「落札率調査」も毎年行い、今では談合が 疑われる、平均落札率90%以上の自治体はごく少数になりました。 本来の行政のチェック役である、議員の政務調査費については、住民監査請求で これまで9億円を返還させ、さらに情報公開度ランキングでチェックしたところ、 いまでは40都道府県で領収書の全部開示を行っていることを紹介しました。 領収書を情報公開請求したところ、愛知県瀬戸市の議員は「ハリーポッター」の 本を購入していることが判明し、追及して新聞に大きく載ったところ、次回選挙で 落選したことが紹介されました。 2011年3月11日以降、特に原発問題がクローズアップされてきましたが、 電力会社は民間なので情報公開の対象から外れてしまうこと、 国費の返還を求める訴訟ができないことから、市民オンブズマンとしては 追及しにくいが、少なくとも自治体からできることはあるはずだとして、 自治体の電力購入を入札等で行っているか調査をしたところ、 平均82.7%が、大手電力会社からのみの随意契約であったことを紹介しました。 また、「学者と電力会社の関係」を調べるため、大学に共同研究一覧を 情報公開請求したところ、一部学者名や研究内容が非公開で、 しかもいくらお金をもらったかは全部非公開であったことを紹介しました。 最後に、「主権者としての実感が無いのは国際的な流れで、一部では 『独裁的な強いリーダーにお任せする』という動きが出ているようだが、 そうではなく、情報を市民に広く公開した上で、市民が議論して決めるという、 本来の民主主義を大事にしたい」と述べました。 具体的に言えば、名古屋市政の減税に対し、「平成23年度は減税しなかったため、 あまった金で行った事業の一覧を市が公開している資料から作った。 減税の是非というのは、これら資料を基に市民が議論して行いたい」と述べました。 ---------- 学生とのの質疑では、「市民オンブズマンはどこからお金が出ているのか」 (行政・企業から1円も助成金・補助金をもらわず、会費とカンパで賄っていること) などがでました。 私は「3.11原発事故後、名古屋ではじめに原発反対の行動を行ったのは、 実は高校卒業したての女子高生だった。栄で女子高生7名で街頭署名をあつめ、 中部電力に持って行き、その1週間後にパレードを行った。 警察に自分たちでデモ申請を出しに行った。100人くらい集まればよいと 思っていたら、450人も集まった。5月にも母の日にママたちとパレードを行い、 1500人も集まった。ちょっと行動するだけで大きな動きになる」と述べました。 コーディネーターの山岸先生は「普通の市民が情報公開請求や調査をすると、 これだけ世の中を変えられることは、日本地図がどんどん白くなっていくので わかった。これを『快感』と表現したかったのだと思った」と述べられました。 少しでも、「私にも何かできることがある」と思ってくださる方が増えれば幸いです。 ------ ![]()
by ombuds
| 2011-11-18 16:57
| 講演
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