17/6/30に開催された名古屋市議会経済水道委員会において、名古屋城天守閣木造化の前に行う天守台石垣調査について、文化庁への調査申請を2017年7月8月中に行う予定で、それ以降に申請が遅くなると、全体の工程が遅れる可能性があると言わざるを得ない、と明言しました。
・17/6/30 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170630.pdf・17/6/30 名古屋市議会経済水道委員会メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170630-1.pdf ・17/6/28 名古屋市議会経済水道委員会メモ途中(名古屋市民オンブズマン作成)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170628-1.pdf特別史跡内の名古屋城跡は、調査を行うにも文化庁の許可が必要です。特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会(2017/5/12開催)では、文化庁の担当者は「石垣を保全するという名目でなければ調査は許可できない」と明言したとのこと。また、石垣部会の意見が一致することが必要とも明言したとのことでした。
その次に開かれた石垣部会(2017/6/23開催)では、具体的な工程が名古屋市から示されたものの、解体後の石垣調査を2020年4月5月で行う計画で、6月には木造天守閣復元に入ってしまい、「どのように調査を反映させるか明確でない」としました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170623.pdf 千田嘉博・奈良大教授は「天守台の石垣すべてを解体・調査するには、さらに10年以上の時間がかかる」と述べ、現在の名古屋市の工程を批判しました。発言を聞く限り、すくなくとも、現在の名古屋市の工程に同意している有識者は1人もいませんでした。
しかしながら、中川貴元(自民・東区)市議の「石垣部会の5人の意見は一致しているのか」という質問に対し、名古屋市は「2人の方は本市の主張をご理解頂いていると認識している。他の人は聞いてみないとわからない」としました。議事録がいまだに作成されず、議論の詳細もきちんと議員にも説明していないことが、現在の混乱を招いています。
市議からは、「新聞報道を見る限り、石垣調査でもめており、本当に木造天守閣が2022年12月に完成できるか疑わしい。そんな状況で市民に寄付を呼びかけてよいのか。市民が寄付すると思うか。」という指摘がありました。
西川ひさし(自民・昭和区)市議は、「現場に何かがある委員会として所管事務調査を行い、石垣を見に行きたい。石垣部会の有識者にも説明してもらいたい」と要求し、正副委員長で検討することになりました。
一方、福田誠治(公明・南区)市議が「石垣を修復したとして、東海・東南海・南海地震の震度7に石垣が耐えられるのか」という質問に対しては、「石垣については複雑で、石垣部会の有識者に地盤工学についてお聞きしている。これから議論していく」と述べるにとどまりました。
このまま課題を残したまま、寄付金を集めてどうしようというのでしょうか。
見切り発車で都合の悪い情報を伝えない市、問題があることを認識したまま基本設計予算を認めてしまった議会。マスコミも、これらの詳細をうまく伝え切れていません。
様々な矛盾が明らかになるのはあと2ヶ月です。早めに計画を全面的に見直すことを決断しないといけません。
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名古屋市民オンブズマン 名古屋城 木造天守閣問題特集
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm