名古屋市民オンブズマンは、2011年-2015年2月議会までの、
愛知県議会・名古屋市議会の本会議の発言回数を調査しました
(委員会は2014年10月まで)。
議員に対してどのような対象に政務活動費を使ったのか回答を求めましたが、
3/24までには1名の回答しかありませんでした。
コメント並びに4年間の一般質問回数、代表質問回数、個人質疑回数一覧を
掲載いたします。
http://nagoya.ombudsman.jp/giin/150330.pdf・名古屋市民オンブズマン
議員通信簿ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/giin/index.htm------------
政務活動費についてのアンケート結果について
1,調査の目的とねらい
全国的に政務活動費の使途に注目が集まっている中で開催される
今回の統一地方選では、過去4年間に政務活動費をどう支出し、
調査研究に役立ててきたかが候補者選びの基準の一つとして注目
される。政務活動費の領収証が開示されるようになった現状で、
有権者の選挙区の候補者が年間500万円を超える政務活動費を
何に支出してきたか、という点は、ある意味で候補者の政治姿勢の
実態を最も良く示すものと言えるからだ。
私たちが候補者を選ぶうえで、もう一つの資料は、候補者がこの
4年間にどのような質問や発言を議会で行ってきたか、である。
予算も条例もすべて本会議を経て成立する。地方自治法も本会議を
原則公開とし(115条)、会議録の作成を義務づけている(123条)
。 むろん、「議員の仕事は幅広い。本会議で質問したり、意見を
述べるだけではない。むしろ住民の要望をきちんと聞いてこその
議員だ」という反論も根強いものの、4年間、1度も本会議で
一般質問をしてこなかった候補者は、何を有権者にアピールする
つもりだろうか。
今回の統一地方選にあたって、私たちは政務活動費と本会議での
一般質問という候補者の姿勢がもっとも良く現れる情報に着目し、
平成23年度〜平成26年度にかけての任期中に一度も本会議で
一般質問をしていない愛知県議16名、名古屋市議6名に対し、
議会活動に政務活動費をどのように役立てたかを尋ね、
有権者への説明を求めることとした。
2,回答結果
3月13日に該当する各議員に、同年3月24日を回答期限と
して別添の質問書をお送りした。
期限の3月24日までに回答を寄せられたのは1名、小林功氏
(愛知県議)だけであった。また、安藤まさひこ県議は、
3月27日に電話で「アンケートは本日拝見した」「代表質問の
ために調査していた」との回答があったが、他の議員からは一切の
回答がなかった。私たち名古屋市民オンブズマンは統一地方選の
直前も含めてこれまで多くの公開質問をしてきたが、これほど
回答率の低いことはこれまでなかったと言える。
3,回答結果をどう見るか
期日までに回答した方が1名だけであった、という結果は、議会で
一般質問をしてこなかった議員にとっては、政務活動費を何に
使ったか、という問いについても説得力ある回答ができないことを
意味する。それだけ自己の政治姿勢にとって「痛い」質問だった
わけだ。
私たちが期待したのは、先の「議員の仕事は幅広い。本会議で
質問したり、意見を述べるだけではない。むしろ住民の要望を
きちんと聞いてこその議員だ」のいう立場からの説明だ。住民の
要望を聞いてどういう成果があったか、そのためにどのような
目的で政務活動費を支出したか位は説明してしかるべきであろう。
一度も本会議で一般質問をしてこなかった、としても、政務活動費
として多額の金額を受領しているはずだ。最低限、その使途を
市民に説明する責任はある。このままでは、成果を回答できない
議員への政務活動費の支出の相当性を疑わざるを得ないのだが。
4,さいごに
冒頭で述べたように、議員の議会活動への取り組みは政務活動費の
使途に如実に現れる。今回のアンケート調査の対象となった議員の
中には、議会での一般質問を4年間1度も行わないばかりか、
委員会での質問回数も4年間で20回にも満たないにも関わらず、
事務所の賃料や人件費に政務活動費を支出している方も珍しくない。
しかし、これらの支出は果たして、政務活動費という税金で
まかなう必要性があるものか、根本的なところで疑問を持たざるを
得ない。
各議員がどのような姿勢で統一地方選に臨まれるか、注目しつつ、
今後も政務活動費の支出については注目したい。
2015年3月30日
名古屋市民オンブズマン
代表 新海 聡